日本心臓血管外科学会雑誌
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異型大動脈縮窄症に対し上行大動脈-総腸骨動脈バイパス手術を施行した1例
山口 敦司安達 秀雄水原 章浩村田 聖一郎紙尾 均井野 隆史岡田 昌彦
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1996 年 25 巻 6 号 p. 390-393

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抄録

異型大動脈縮窄症に急性大動脈血栓閉塞を合併した症例に対し緊急で右腋窩-両大腿動脈バイパス (人工血管径8mm) を施行したが, 術後上下肢の血圧差と血中レニン活性の高値を認めた. その後の血管造影で, 胸部大動脈は弓部の末梢にて閉塞していた. 内科的治療では上半身の血圧コントロールが不十分であり, 腹部主要分枝への灌流を改善させるために上行大動脈-右総腸骨動脈バイパス術を追加施行した. 腹部正中切開, 胸骨正中切開の後, 下大静脈の左前方にて横隔膜を貫き, 腹腔動脈起始部から腹部大動脈の左側を剥離し, 人工血管のトンネルを作成した. 径16mmの人工血管を用いてバイパスを作成したところ, 術後上下肢の血圧差はほぼ消失した. 異型大動脈縮窄症に対する本術式は, 腹部臓器を灌流するための十分な太さの人工血管を用いることが可能で, 症例によっては考慮に値する術式である.

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