日本心臓血管外科学会雑誌
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心筋虚血を伴った Stanford A型急性大動脈解離の外科治療
許 俊鋭上田 恵介横手 祐二朝野 晴彦木村 壮介尾本 良三
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26 巻 (1997) 3 号 p. 135-140

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抄録

Stanford A型急性大動脈解離 (DAA) は緊急手術を必要とするが, 心筋虚血合併例では手術リスクは極めて大きい. 本報告は冠動脈バイパス (CABG) を同時施行した緊急DAA手術成績の検討を目的とする. 過去6年間にCABG同時施行DAA緊急手術は7例 (♂: ♀=5:2, 年齢=47±16)あり, 心筋虚血の原因は冠動脈口への解離進展5例, 冠動脈狭窄合併が2例であった. 入院時6例がショック状態で3例に Bentall 型手術, 4例に上行大動脈置換が施行され, CABGは1枝5例, 2枝2例であった. 脳分離体外循環を要した1例 (73歳♂) が術後10日目に腎不全・意識障害で死亡した. 1例で術後補助人工心臓による循環補助を必要としたが7例中6例 (86%) が生存退院した. 心筋虚血を伴った急性大動脈解離の外科治療は極めて困難であるが, 積極的な冠動脈再建および補助循環治療により良好な手術成績が得られると考えられた.

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