日本心臓血管外科学会雑誌
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稀な不規則抗体のため他家血輸血が不可能であった切迫破裂を示した腸骨動脈瘤の1例
阪越 信雄佐藤 重夫鬼頭 義次
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1997 年 26 巻 4 号 p. 275-277

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抄録

非常に稀な不規則抗体 (抗Fya抗体+抗E抗体+抗P1抗体) のため他家血輸血が不可能であった腸骨動脈瘤切迫破裂の1例を経験した. 本例は慢性腎不全のため貧血を合併していた. 安静と降圧剤による血圧コントロールにより瘤破裂は予防され, 4週間の間に自己血を800ml貯血することにより待機的に手術を施行することができた. 術中は回収洗浄式自己血輸血装置を併用し, 他家血輸血を行わず安全に手術を遂行できた.

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