日本心臓血管外科学会雑誌
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腸骨動脈瘤-下大静脈瘻の一治験例
術中・術後の血行動態を中心として
長谷川 順一門場 啓司豊田 芳郎久保田 洋豊山 広勝長谷 一郎
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1998 年 27 巻 6 号 p. 367-371

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抄録

患者は68歳, 男性で左下肢の浮腫と労作時呼吸困難を主訴とした右総腸骨動脈瘤破裂による腸骨動脈-下大静脈瘻を来していた. 総腸骨動脈瘤の径は, 71×70mmで肺対体血流比は1.36であった. 手術は, 瘻孔 (φ10×5mm) を閉鎖し, 瘤を人工血管で置換した. 術後経過は良好で心不全症状もなく, また血行動態上も肺動脈平均圧は32から18mmHg, 心係数も9.81から3.66l/min/m2と低下した. 動静脈瘻を伴う腸骨動脈瘤の報告は少なく, 血行動態の変化を術中・術後にかけて観察したので報告した.

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