1999 年 28 巻 4 号 p. 282-284
心室中隔膜性部瘤と僧帽弁閉鎖不全症の希な合併症例に対して開心術を施行した. 症例は57歳, 男性. 平成5年に心臓カテーテル検査により心室中隔膜性部瘤および Sellers III度の僧帽弁閉鎖不全症と診断され, 以後, 外来で経過観察中であった. 平成10年になって労作時呼吸困難が出現し, 僧帽弁閉鎖不全症は Sellers IV度と悪化し, 同時に心室中隔膜性部瘤の増大も指摘された. 手術は, 瘤切除パッチ閉鎖術および僧帽弁形成術を施行した. 術後の心臓カテーテル検査で心室中隔膜性部瘤, 心室中隔欠損, 僧帽弁逆流を認めず, 術後25日目に退院した.