日本心臓血管外科学会雑誌
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右内腸骨静脈から右房右室にいたる血管内平滑筋腫の手術経験
大音 俊明増田 政久林田 直樹ピアス 洋子中谷 充浮田 英生志村 仁史茂木 健司塚越 芳久中島 伸之
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2001 年 30 巻 1 号 p. 36-39

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抄録

Intravenous leiomyomatosis (IVL) は子宮筋腫あるいは子宮内静脈壁から生じた組織学的に良性な平滑筋腫が静脈内に成長進展したものと定義され, まれに右心系へ達することもある疾患である. 症例は43歳の女性で, 右内腸骨静脈から下大静脈を経て右房右室にいたるIVLに対し体外循環を用いた開心・開腹による腫瘤摘出術を行った. 体外循環を開始するさい, 下大静脈への脱血管挿入は腫瘤が障害となり困難であった. 経右房的腫瘤切除を行ったのち, 脱血管を挿入したが予想外に出血が多く血行動態の悪化を招いた. 経右房的腫瘤切除は循環停止下に行ったほうが安全かと思われた. また術後, 腫瘍組織が残存した場合には再発の可能性が高いので本症例では予防的に抗エストロゲン剤の投与を継続している. 術後2年4カ月を経過し静脈内に再侵入する腫瘍像は認めず手術および術後の薬物治療が有効であったと考えられた.

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