症例は63歳男性, 腹部大動脈瘤破裂の診断で人工血管置換術施行し, 術後経過はおおむね良好で第23病日に退院となったが, 退院後第26病日に熱発を認めた. 腹部CTにて後腹膜膿瘍を指摘され, 再入院となった. 後腹膜膿瘍をエコー下に穿刺ドレナージし, 膿瘍腔を造影したところグラフトの感染が疑われたため, 翌日洗浄ドレナージ術を行った. 人工血管周囲全体にも膿瘍が及んでいたため人工血管周囲に洗浄用チューブを留置した. 術後, 強酸性水, 0.5%イソジン入生理食塩水で持続洗浄し, 抗生剤投与を行った. その結果炎症所見は次第に消失し第88病日に退院となった. 人工血管感染に対し持続洗浄ドレナージおよび抗生剤長期投与により治癒した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.