日本心臓血管外科学会雑誌
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超高齢者の腹部大動脈瘤被覆破裂に対するステントグラフト内挿術の1治験例
佐々木 昭彦坂田 純一
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2001 年 30 巻 6 号 p. 295-298

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抄録

High risk な89歳の腹部大動脈瘤被覆破裂の患者にステントグラフト内挿術を施行し良好な結果が得られた. 既往歴にASOがあり左I-Fバイパス, F-Fバイパス, 両側F-Pバイパスを受けている. 腹部大動脈瘤は腎動脈から2.5cm末梢に始まり径は4cm, 長さは3.5cmで分岐より中枢4cmで瘤は終わっている. 腹部大動脈の径は20mmで動脈瘤の頭側端より後腹膜腔へ造影剤の漏出がみられた. 30mm径, 長さ7.5cmの3連Zステントを中枢側は約1cmステントを裸にし, 24mm超薄型ウーブングラフトで被覆し中枢と末梢端を固定した. 左大腿動脈の人工血管よりデリバリーシースの先端を腎動脈の直下まで進めて内筒を固定しながら外筒を引き抜きステントグラフトを血管内に留置し, さらに大動脈閉塞バルーンにてステントを拡張固定した. 直後の造影ではリークもなく良好にステントグラフトが造影された.

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