33 巻 (2004) 6 号 p. 391-394
症例は56歳,女性.10年前に僧帽弁狭窄症に対し経皮経静脈的僧帽弁交連裂開術(PTMC: percutaneous transvenous mitral commissurotomy)を施行されていたが,今回急性心不全のために当院救急入院となった.心不全の治療後,精査したところ僧帽弁の再狭窄のため手術適応と考えられた.手術はCarbomedics弁による僧帽弁置換術を施行,ICU入室後,呼吸循環動態は安定していたが約4時間後に出血が急激に増加し再開胸手術を行った.左室後壁からの出血を認め左室破裂の診断で輸血と用手圧迫による止血下に体外循環を開始した.心停止下に人工弁をはずし心内膜側,心外膜側からの修復により救命することができた.僧帽弁置換術後の合併症である左室破裂の救命例につき文献的考察を加えて報告する.