日本心臓血管外科学会雑誌
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僧帽弁輪石灰化による僧帽弁閉鎖不全症に対して僧帽弁形成術を施行した1例
南 智行井元 清隆鈴木 伸一内田 敬二軽部 義久伊達 康一郎郷田 素彦初音 俊樹益田 宗孝
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2007 年 36 巻 6 号 p. 333-336

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抄録
症例は74歳,女性,主訴は労作時息切れ.心臓超音波検査では左室壁運動は良好であり(LVELF70.2%),左房左室の拡大を認めた(LAD53.4mm,LVDd58.5mm).僧帽弁は後尖の肥厚,可動性の低下を認め,弁輪にエコー輝度の増強する部分を認めた.カラードップラーでは,左房後尖側に向かう逆流jetを認めたが,前尖の逸脱は認めなかった.高度僧帽弁閉鎖不全症の診断で手術施行した.僧帽弁を観察すると限局した後尖弁輪の石灰化によって後尖P2が短縮しており,この部位が逆流の原因と考えられた.弁尖矩型切除,弁輪縫縮による僧帽弁形成術を施行した.術後経過は良好であり,術後の心臓超音波検査で僧帽弁閉鎖不全はtrivialまで改善していた.弁輪石灰化を伴う僧帽弁閉鎖不全症に対しては,形成術は不向きとされていたが,本症例のように石灰化が限局している症例に対しては弁尖切除,弁輪縫縮によって形成術は可能であると考えられた.
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