2008 年 51 巻 1 号 p. 25-30
本研究では、便秘に関する質問紙法の妥当性を検討することを目的に質問紙法で得られた結果(以下、主観的データ)を、別に客観的データとして調べた1 週間の排便実態の結果と比較した。対象者は65 名(男性9 名、女性56 名)であり、便秘の判定には1 週間の排便回数、腹が張る、残便感、および硬い便の有無症状を用いた。その結果、1)1 週間の平均的排便回数は主観的データでは5.5±1.4 回、客観的データでは7.9±4.0 回と、客観的データが主観的データより高値を示した。2)対象者を「快便群」、「便秘気味群」、「便秘群」の3 群に分けた結果、主観的データと客観的データの一致率は83.1% であった。 このような結果から、質問紙調査で得られた主観的データは、便秘の発現を把握するのに有効である可能性が示唆された。