日本栄養士会雑誌
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回復期リハビリテーション病棟における高齢者の栄養評価と位相角の関連
中崎 直子堺 琴美松下 恵梨佐方 信夫
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2024 年 67 巻 10 号 p. 533-539

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抄録

本研究は、回復期リハビリテーション病棟(以下、回リハ病棟)の入院患者におけるGeriatric Nutritional Risk Index(GNRI)と位相角の関連を調査することを目的とした。65歳以上の回リハ病棟患者283人を対象として、リハビリテーションの対象疾患群かつ性別ごとに、GNRIと位相角の相関を検証した。また、GNRIの重度低栄養リスクに対する位相角の識別精度を検証した。年齢を調整した相関係数は、脳血管疾患で男性0.46、女性0.72、運動器疾患で男性0.52、女性0.51、廃用症候群で男性0.63、女性0.51となり、全て統計学的に有意であった(脳血管疾患の男性p=0.010、その他p<0.001)。ROC分析では、GNRIの重度低栄養リスクに対する位相角の曲面下面積は0.8(95%信頼区間:0.74〜0.86)であった。回リハ病棟の栄養リスク指標として、位相角は有用な指標となる可能性がある。

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