2025 年 30 巻 3 号 p. 122-131
【目的】本研究は、避難所に指定されている大学周辺における地域住民の防災意識と対策状況を明らかにすることを目的とした。【方法】札幌市A地区の20歳以上の住民を対象に、防災に関する意識や対策についてWeb調査を実施した。【結果】研究対象者は205名であり、防災教育の多くは小・中学校で受けていた。被災経験のない者は自宅付近の災害リスクが低いと認識していた。災害時の備えとして医薬品を準備している者は比較的少なかった。大学には安全な避難所としての機能が最も期待された。【考察】高校卒業後に防災教育を受ける機会が限られている可能性があり、特に被災経験のない者は自宅付近の災害リスクを低く認識する傾向がある。また、災害時に向けて医薬品の準備をしていない可能性があるため、内服薬を常備する認識を高める必要がある。さらに、大学には安全な避難所の提供と、防災教育や災害マニュアル整備を通じた地域貢献が求められている。