歯科材料・器械
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原著
摩耗の三次元計測システムの開発
岡田 周策鈴木 勝林辺 勝寺中 敏夫岩本 次男藤田 忠寛青木 英夫
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1991 年 10 巻 5 号 p. 684-691

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抄録
CAD/CAMを応用した自動ミリング装置A-1を臼歯部コンポジットレジンの摩耗量測定に用いた.抜去小臼歯を選択して, 咬合面にI級窩洞を形成し, 窩洞に, 臼歯用コンポジットレジンを充〓し, 研磨した(ベースライン).シリコンラバーにて印象採得した後, ガラスビーズを用いたサンドブラスターにて人為的摩耗を施し, 摩耗後の試料として再び印象採得した.両印象とも銅にてメッキされ, 歯科用石膏を注入し, 計測用模型を作製した.2つの計測模型は, A-1にて計測され, 磁気ディスクにデータを保存した.データはコンピュータCRTおよびXYプロッターに出力表示され, 走査型電子顕微鏡像(SEM像)と比較した.このことより, 以下の結果を得た.1.A-1の測定精度は5μmであるが, 2μmまで向上させることが可能であった.2.摩耗は, 鮮明に観察されかつ二次元的に測定容易であった.3.A-1は, データをいかなる部位や倍率, そして, 求めたい切断像で観察できた.4.残る問題は, 計測速度の向上であるが, ベクトル処理を測定時のソフトウェアーに組み込むこで解決可能である.
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© 1991 一般社団法人 日本歯科理工学会
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