歯科材料・器械
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原著
マイクロカプセル型有機複合フィラーの試作に関する研究
安藤 優根本 君也
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1992 年 11 巻 2 号 p. 398-409

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抄録
本研究は微球状シリカ粒子(MF)を種々の割合に混入したマイクロカプセル型有機複合フィラーの試作と, これを混入したコンポジットレジンの物性を検討したものである.粒子の作製方法は, MFとBPOを混入したジメタクリレートのエタノール溶液にアミンと水を徐々に加え, 相分離によって球状粒子を得る組成条件下で, MFを表面に配置した種々のマイクロカプセル型粒子(MCP)を常温で作製した.得られた粒子は15〜90%のMFを含む, 直径0.3〜6μmの球状粒子であった.シランカップリング剤で表面処理を行った種々のMCPおよびこれらのMCPとMFの混合物をフィラーとする各種コンポジットレジンを試作し, 硬化物の機械的性質を測定した.その結果, 約8〜65vol%のMFを含む各MCPをフィラー(55wt%)とした硬化物の曲げ強さは, いずれも100MPaであり, 65vol%のMFを含むMCPを種々の割合で混入したコンポジットレジン硬化物の曲げ強さは, 50vol%以上のとき, 100MPa以下になった.また, MCPとMFを混合したフィラーを含むコンポジットレジンにおいて, MFが50〜60vol%混合の場合, たわみが大きく, 弾性率は600MPa, ロックウェル30W硬さは60, 曲げ強さは120MPa以上で試作コンポジットレジン中で最大値が得られた.さらに, MFと試作MCPとを混合してフィラーとして用いるとコンポジットレジン中のフィラー混合率を大きくすることができ, しかも曲げ強さ, 弾性率, たわみが共に大きくなり, 靱性の大きいコンポジットレジンを得ることができる.
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© 1992 一般社団法人 日本歯科理工学会
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