抄録
4種の化学重合型直接リライニング材からの溶出モノマーを高速液体クロマトグラフィーを用いて分析を行った.各リライニング材のディスク状試験体を蒸留水中に浸漬し, 1日後, 1週間後, 2週間後, 3週間後, 1ヵ月後および2ヵ月後にモノマーの定量を行った.リライニング材からのモノマーの溶出は浸漬1週間後で急速に進行したが, それ以降は溶出量は低下した.また蒸留水中に2ヵ月間浸漬した後も少量ながらモノマーの溶出が認められた.本研究の結果から, 口腔内環境下でのリライニング材からのモノマーの溶出は, 材料のモノマー組成に影響を受けることが示唆された.