歯科材料・器械
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原著
歯科材料の熱的性質に関する研究 : 第10報高フィラー型硬質レジン
齊藤 仁弘塩田 陽二金子 和幸林 純子茂呂 祐康小泉 寛恭五十嵐 孝義西山 實
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2000 年 19 巻 5 号 p. 441-447

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抄録
高フィラー型硬質レジンのArtglass, Estenia, BelleGlass, HP, Gradiaの熱拡散率, 比熱容量を熱定数測定装置(TC-2000L)を用いて測定し, 熱伝導率を算出した.試験体はφ10×1mmとし, 製造者指示に従って作製した.高フィラー型硬質レジンの熱伝導率(Wm -1K -1)は, Artglassが0.289〜0.316, Esteniaが0.544〜0.561, BelleGlass HPが0.326〜0.373, Gradiaが0.337〜0.357であった.エナメル質の熱伝導率(0.87Wm -1K -1)と比較すると約1/2〜4/5の小さい値, IPS Impressの熱伝導率(0.644〜0.733Wm -1K -1)と比較すると, Esteniaはほぼ同じ値, Artglass, BelleGlass HPおよびGradiaは約1/2の値であった.以上のことから, 高フィラー型硬質レジンはエナメル質より熱の遮断性が大きいことが明らかとなった.
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© 2000 一般社団法人 日本歯科理工学会
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