2000 年 19 巻 5 号 p. 464-469
本研究はチタン表面にエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVA)をコートし, さらにコラーゲンを固定化した人工歯根を用い, 歯根膜再生を目指している.今回はコラーゲン固定化EVA表面上で歯根膜由来細胞を培養することにより, 本材料の生体適合性を評価した.1.位相差顕微鏡での観察によると, コラーゲン固定化EVA表面での培養細胞の付着, 扁平化と伸展の良好なことが示された.2.増殖曲線においてもコラーゲン固定化EVA表面で歯根膜細胞の良好な成長が認められた.3.さらに免疫染色方法でコラーゲンtypeIを測定した結果, コラーゲンtypeIの合成が確認された.