歯科材料・器械
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原著
HY剤を添加した石こう糸仮封材に関する研究 : とくにHY剤の歯質への影響について
石塚 直治山賀 谷一郎
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1990 年 9 巻 2 号 p. 247-256

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抄録

本研究の目的は, タンニン・フッ化物合剤(HY剤)の象牙質に対する効果を調べることである.HY剤を象牙質表面に作用させ, 37℃の石灰化溶液中に浸漬したときの, HY剤中の各成分の歯質への取り込み状態および象牙質の表面性状の変化について調べた結果, 次のことが明らかになった.
1.象牙質表面には石灰化溶液に由来するCaイオンとHY剤の成分であるFイオンとの反応により, CaF2が生成していることが, X線回折により確認された.
2.F, Zn, SrそしてCaイオンの象牙細管への浸透がEPMAにより確認された.
3.HY剤を象牙質に7日間作用した結果, 硬さは約10%上昇した.
4.HY剤を象牙質に7日間作用した結果, 接触角は約3%上昇した.この基礎的研究から, HY剤を作用させた象牙質は, 無機質と有機質の両面から, 物理的にも化学的にも安定化されることが示唆された.

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© 1990 一般社団法人 日本歯科理工学会
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