発達心理学研究
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内省能力と二次的信念の理解との発達的関連 : 再帰的な思考の役割から
鹿子木 康弘森口 佑介板倉 昭二
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2009 年 20 巻 4 号 p. 419-427

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抄録

近年,学際的な領域で自身の心的な活動に気づくことができる能力(内省能力)が注目を集めるようになっている中,発達心理学においても子どもの内省能力の発達を検証した研究がなされている。しかしながら,先行研究においてはどのような要因が内省能力の発達と関連するかが検証されていない。そこで,本研究は,他者の視点から自身の心的な状態を捉える再帰的な認知能力,つまり二次的信念の理解が内省能力の発達に関連するという仮説を検証した。実験においては,7歳から9歳の52人の子どもに2つの内省課題と二次的誤信念課題が与えられた。その結果,各内省課題において,二次的誤信念課題の正答群は,誤答群より内省能力が有意に高かった。これらの結果は,二次的な心的表象の理解が内省能力の発達に関連するという仮説を支持するものであった。われわれは,これら2つの能力の関連のメカニズムを,再帰的な思考の社会認知的な役割に焦点を当てて論じる。

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© 2009 一般社団法人 日本発達心理学会
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