発達心理学研究
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関係性攻撃幼児の共感性と道徳的判断,社会的情報処理過程の発達研究
畠山 美穂畠山 寛
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2012 年 23 巻 1 号 p. 1-11

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抄録

本研究の目的は,関係性攻撃を行う幼児の共感性と道徳的判断及び社会的情報処理について検討することである。調査協力者は,幼稚園年長児(男児16名,女児18名),年中児(男児18名,女児24名),年少児(男児13名,女児12名)の計101名とその担任保育者4名であった。幼児の関係性攻撃の程度を測定するために幼児の社会的行動教師評定尺度(Preshool Social Behavior Scale-Teacher Form)の関係性攻撃に関する5項目を利用した。尺度測定は保育者評定によって実施し,関係性攻撃上位30%の高群(n=35)と,下位30%の低群(n=40)を抽出した。Lemerise & Arsenio(2000)及びArsenio & Lemerise(2004)の社会的情報処理モデルを参考に幼児の社会的情報処理過程及び道徳的判断,共感性について測定するための質問を考案して実施した。関係性攻撃高群と低群の共感性及び道徳的判断,社会的情報処理過程を検討した結果,関係性攻撃を行う幼児は関係性攻撃を行わない幼児よりも,共感性の中でも相手の感情を推測する得点が高く,状況によらず攻撃は悪いと判断していることが明らかとなった。それゆえ,この結果は,関係性攻撃を多く行う幼児の社会的能力が高いことを示唆するものである。

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© 2012 一般社団法人 日本発達心理学会
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