本研究は,子どもが0歳から3歳までの各時点のテレビ・DVDおよびスマートフォンの使用時間と,子どもが4歳時点の就寝時刻,起床時刻,SDQ指標の縦断的な関連を検討した。5時点で得られた合計1678名の母親データ(平均年齢=37.11)を分析に使用し,各時点の使用時間カテゴリーとの関連,連続変数と見做した際の偏相関,4時点の変化軌跡クラスとの関連を検討した。基本的に,有意な関連が見られた点は,全て使用時間が長いほど,遅い就寝時刻と起床時刻,ネガティブなSDQ得点と関連していた。本研究の特徴的な結果の1つは,4歳時点の睡眠指標に対して,0,1歳時点のテレビ・DVDではなく,スマートフォン使用時間の影響が見られた点である。この結果は,子どもへの影響という点について,テレビ・DVDとスマートフォンの違いを示唆する。SDQに関して,向社会的行動得点意外の4つの下位尺度は,テレビ・DVDとスマートフォンの使用時間となんらかの関連を示した。本研究は,デジタルメディアの使用が日本の乳幼児期の子どもに与える影響に関する萌芽的な研究であり,実践的・政策的に重要な知見を提供した。
【インパクト】
本研究では,5時点の縦断データを用いて,0歳から3歳までの各年齢におけるデジタルメディアの使用時間が,子どもの睡眠時間や情緒,行動的な問題への影響を示した点において,極めて高い実践的・政策的な価値を有すると考えられる。デジタルメディアの使用が低年齢化している現在において,本研究は,日本の乳幼児期の子どものデジタルメディアの使用時間に関する有用な知見を提供することができた。