人間工学
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原著
向性と精神的負荷が精神疲労に及ぼす影響
石橋 基範土居 俊一
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2009 年 45 巻 1 号 p. 19-28

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抄録

自動車運転者の精神疲労研究では,運転支援における人間・機械系の適合性向上の視点から精神疲労の個人差を理解する手がかりが必要と考えられる.PavlovやEysenckによると脳には刺激に対する応答のタイプがあると仮定され,疲労発生に関係し,内向性・外向性の性格(向性)に現れるという.最初に視覚刺激呈示実験で刺激応答タイプを調べた結果,外向性は刺激呈示に伴いα波周波数が上昇する「興奮型」タイプと,内向性は一過性下降の後に上昇する「抑制型」タイプと対応した.次に,精神的負荷(刺激に相当)と向性(刺激応答タイプに相当)の相互作用が作業後の精神疲労の大きさ(脳活性の低下)に影響するとモデル化した.運転模擬作業実験での脳波α波周波数,心理状態,反応時間標準偏差の解析から,低負荷課題では外向性群で精神疲労がより大きく,高負荷課題では内向性群でより大きいと考えられる結果となり,モデルは概ね妥当であることを示した.

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© 2009 一般社団法人 日本人間工学会
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