人間工学
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原著論文
顔面下部のサイズ情報が顔の見かけの大きさに強く影響する
宮崎 由樹 伊藤 資浩神山 龍一柴田 彰若杉 慶河原 純一郎
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2020 年 56 巻 6 号 p. 222-230

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抄録

顔を細く・小さく見せることに対する日本人の関心は高いが,どのような要因が顔の見かけの大きさを左右するかについては未検討な点が多い.本研究は,顔全体のサイズ知覚に,どの顔部位のサイズ情報が関与するか検証することを目的とした.そのためにまず,女性・男性顔132画像において,20箇所の顔部位の縦幅や横幅を計測した.また,その計測サイズとそれらの画像毎に評定された見かけの顔サイズ評定値との相関を算出した(研究1).その結果,顔全体のサイズ知覚には,顔画像の性別に関係なく,顔面上部(額の長さ等)にくらべて顔面下部のサイズ(頬の広さや顎の長さ等)が強く正相関していた.この結果に基づき,顔面下部を衛生マスクで遮蔽し,顔面下部のサイズ情報を観察できなくすることで,顔のサイズ知覚が変わることも実証した(研究2).これらの結果は,顔全体のサイズを判断する際,顔面下部のサイズ情報が重要な手がかりとして用いられていることを示している.

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© 2020 一般社団法人 日本人間工学会
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