人間工学
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実践報告
科学コミュニケーションとゲーミフィケーションを活用した防災教育の実践
-防災リテラシーを高める課題解決ゲームの開発-
山田 泰行 宮中 翼甲斐 素子水野 基樹柳川 洋一榎原 毅
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2022 年 58 巻 2 号 p. 67-75

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抄録

日本は自然災害の経験を通して,防災教育の良好事例を蓄積してきた.その中でも,ゲーミフィケーションを活用した防災教育の良好事例は,参加者のモチベーションと教育効果を高める上で有益である.そこで本研究では,防災教育を目的に使用する課題解決ゲームを作成し,科学コミュニケーションの枠組(AEIOU定義:発見,楽しみ,興味,意見形成,理解)から教育効果を検証した.本研究の対象者は大学生26名(男性12名,女性14名)とした.教育効果の検証には,SEC-AEIOUの項目を防災リテラシーの文脈に改変した項目を作成して使用した.t検定(対応あり)の結果,課題解決ゲームの実施後に発見,楽しみ,興味の得点が有意に向上した.さらに,災害に関する意見形成の変容が42.2%の参加者に見られた.その一方,理解の得点では有意差が認められなかった.本研究はゲーミフィケーションを活用したことで,防災リテラシーを高める新たなツールの作成に成功したといえる.課題解決ゲームの教育効果をさらに高めるためには,ゲーミフィケーションのさらなる活用,コンテンツの改良,ファシリテーションの改善が必要になると考えられる.

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© 2022 一般社団法人 日本人間工学会
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