2023 年 59 巻 5 号 p. 207-215
近年,日本の都市部では自転車の利用が増加している.この際,子ども乗せ自転車での転倒等での子どもの損傷リスクが懸念される.本研究では,日本の都市事情を踏まえ,子ども乗せに自転車に搭乗する子どもの安全性を高めるため,子どもの乗車位置が低い子ども乗せ自転車の実現可能性と,その効果について実験的に検証した.子ども搭乗時を模擬した実物大自転車の横転実験により,一般的子ども乗せ自転車よりも提案した低座席子ども乗せ自転車のほうが頭部傷害基準値を半減できるなど安全性向上の可能性を見出した.