島国の日本では,趣味や職業として多くの人がダイビングを行っている.しかし,ダイビングは水中圧力下での活動となるため,ダイバーには常に危険が伴い,死亡事故も発生する.このような事故を避けるために,海中でのダイバーの健康や行動を監視することが望まれている.本稿では,ヒトの健康や行動をECGやEMGにより総合的に監視できる可能性がある生体電位計測に注目し,水中での3つの生体電位計測(①海水と淡水両用の生体電極全てを防水テープ等で完全に隔離する方式,②淡水用の全ての生体電極を隔離しない方式,③海水用の一部の生体電極を隔離しない方式)の原理と特徴を解説する.これらのうち,ダイビングの大半が実施される海水中での生体電位測定においては,③の電極半隔離方式が海水の導電性を利用して生体電極数を約半分にできるので最も適している.そこで,実海域でのダイビングにおける本方式を用いた生体電位計測の現状を紹介する.