人間工学
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脊髄損傷者における残存レベルに応じた出入口空間
藤家 馨御手洗 謙二古賀 唯夫
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キーワード: 脊髄損傷者, 車いす, 出入口
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1992 年 28 巻 2 号 p. 79-89

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抄録

車いすを使用する脊髄損傷者が, 出入口を通り抜けるのに必要な空間の広さや時間, および開扉力を測定した. 被検者は脊髄損傷者23名で, 残存レベルによって3つのグループに分けた. グループはそれぞれ, 残存レベルC5A~C6Aの頸髄損傷者が4名, C6B~C8の頸髄損傷者が8名, およびT3~L1の胸・腰髄損傷者が11名であった. 測定は, 実験室内に組み立てた出入口ユニット (引き戸・開き戸) を車いすで通過する際の時間や車いすの位置, および引き戸と開き戸での開扉力の測定を行った.
出入口の通り抜けに必要な時間は, 残存レベルC5A~C6Aの頸髄損傷者グループが他のグループよりも長かった. また, 引き戸よりも開き戸 (押して開く) のほうが短時間で通り抜けることができた. 通り抜けに必要な空間は, 上肢健常群 (対麻痺者) では既存の建築指針と同程度であったが, 上肢に障害をもつ四肢麻痺者のグループでは, さらに広い空間を必要とした. 開扉力は, 残存レベルC5A~C6Aの頸髄損傷者グループが他のグループよりも小さく, 開扉力の最も小さい被検者で500g程度 (開き戸) であり, 上肢健常群の1/20であった.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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