人間工学
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文書編集におけるコマンドの音声入力に関する基礎的検討
村田 厚生
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1994 年 30 巻 4 号 p. 191-200

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抄録

本論文では, (1) 文字飾り・文字サイズ・書式設定, (2) 罫線, (3) 移動・コピー・削除, (4) (1) と (3) の組み合わせの4種類の文書編集を対象として, コマンド登録をしたファンクションキー機能を音声入力で代替した場合の有効性を, 所要時間, 編集エラーなどの観点から検証した. 入力モードとしては, キー入力, 実行範囲もしくは実行位置の先指定を行わない音声入力と行う音声入力を取り上げた. 4種類の作業ともに各入力モードで4回 (ブロック) 同じ作業を繰り返した. 誤認識および編集エラーに関しては, 4種類の文書編集作業すべてで, 入力モードおよびブロック間でほとんど差が認められなかった. 編集のしやすさの主観評価と所要時間に関しては, 4種類の作業すべてで各ブロックともに先指定を行わない音声入力が最も優れていた. 先指定を行う音声入力に関しては, 主観評価, 所要時間ともにキー入力とほとんど差がなかった. 以上のように, 4~5回のキー入力に対応するコマンド選択操作のファンクションキー入力を音声入力で置き換えた先指定なしの音声入力の有効性が明らかになった.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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