人間工学
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鉄道車両の乗り心地を規定する振動要因に関する研究
鈴木 浩明
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1997 年 33 巻 6 号 p. 349-355

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抄録

鉄道車両の乗り心地評価に有効な振動特性を特定するために, 実車を用いて乗り心地試験を実施した. 被験者は男性22名であった. 被験者に課せられた課題は試験区間の振動乗り心地を5秒ごとに4段階の尺度で評価することであった. 振動加速度および定常加速度が物理量として測定された. 試験の結果, これら物理量と被験者評定値との相関はいずれも0.75~0.80程度であった. これに対し, 人間の知覚判断は当該刺激の絶対値のみでは定まらず, ほかの刺激強度などの影響を受ける相対的な評価になりがちであるという知覚現象 (係留効果) を考慮して, 新しい評価指標を提案した. 時間的に1ブロック遡った区間の振動の影響を加味した新しい指標と被験者評定値との相関は0.90という高い値を示した. この指標はまた, 直線と曲線区間を結ぶ緩和曲線の乗り心地評価にも有効であることが確認された.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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