人間工学
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加齢に伴う水晶体黄変化による日常生活への影響
石原 恵子長町 三生大崎 紘一石原 茂和辻 昭雄
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1998 年 34 巻 1 号 p. 9-16

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抄録

市販の色セロファンを使った75歳相当の透過率をもつ眼鏡を用いて, 高齢化に伴う眼の水晶体の黄変化を模擬体験し, 高齢者の視界が日常生活にどのような影響を及ぼしうるかを調査した. 食事の場面・買い物・道路で調査した結果, (1) 色が変わってみえるだけでなく, (2) 色による区別がつきにくくなる, (3) 液体など不定形のものが知覚しにくい, (4) 立体感や奥行き感が減少する, (5) 光るものがみづらい, ことがわかつた. 具体的には, 食品の鮮度を誤認したり飲み物の種類や量がわかりにくい, 商品の区別が困難, 段差への対処が遅れるなどの生活上の困難があげられた. 色紙を用いた実際の高齢者による色の同異判断実験では, 黄と白, 青と緑, 濃青と黒, 紫と濃赤という, シミュレーションで誤認しそうな色の組み合わせに対して同じように誤認する高齢者がいることが確認され, ヒアリングでもシミュレーションであげられた困難に関連する事柄があげられた.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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