人間工学
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手動制御系における注意喚起と応答動作
末長 修
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2002 年 38 巻 1 号 p. 22-31

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抄録

本研究は, 人間の認知特性を活用した教育・訓練システムを構築するための基礎研究として, 手動制御系における注意喚起と応答動作との関連を実験的に明らかにし, 教育・訓練システムに対して注意喚起の有用な方策を検討することを目的とする. 被験者にはステップ信号に対する追跡作業を課した. その際, ステップ信号の発生に先行して, 聴覚刺激を被験者に提示した. 測定開始から刺激を提示するまでの時間 (ST) と聴覚先行刺激の先行時間 (LT) を組み合わせた実験条件に対するむだ時間と制御成績を測定した. その結果, 聴覚先行刺激の効果は, 人間操作者の能動的注意レベルや制御作業の内容に依存するものの, 聴覚先行刺激が適切なタイミングで提示された場合, むだ時間の短縮や制御成績の向上といった応答動作の改善が図られることを示すことができた. これらは, ランダムな目標値に追従する制御系においても, 注意の配分により目標値に向ける注意レベルが変化すると考えられるため, 適応できると思われる. さらに, 教育・訓練システムへの適用においては, 先行刺激に制御状況や各人間操作者の制御レベルなどに応じた情報をもたらすような手立てが必要であることが示唆された.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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