人間工学
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ヒトの視線と矢印記号による視覚的注意喚起
橋本 由里宇津木 成介
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2005 年 41 巻 6 号 p. 337-344

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抄録

他者の視線は, 観察者の空間的注意を, 自動的かつ強力にその視線方向に向けさせると言われる. ここでは顔線画による視線の注意喚起効果を, 矢印記号による注意喚起効果と比較した. 手掛かり刺激提示とターゲット提示の間の時間間隔 (Stimulus Onset Asynchrony: SOA) は100msと300msである. 実験1では顔線画視線を手掛かりとして提示し, ターゲットの検出, 位置弁別, 識別の3種の作業を被験者に課した. 反応時間とエラー率の点で, 位置弁別作業で最も明瞭な手掛かり一致効果が見られた. 実験2では矢印を手掛かりとして提示し, 位置弁別作業を被験者に課した. 顔線画視線と同様に, 反応時間とエラー率について, 手掛かり一致効果が見られた. 注意喚起力自体については, 矢印のほうが手掛かり一致効果が大きかった.

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