人間工学
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運動特性を利用したソフトキーボードの入力方式の提案と評価
小谷 賢太郎井上 勝義堀井 健
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2006 年 42 巻 6 号 p. 364-372

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抄録
本報告ではペン入力装置利用時の上肢負担を軽減することを目的とし, ペン操作時のリフト動作 (入力時にペンを持ち上げる動作) なしにキークリックを行うことができるソフトキーボード (Lift-Free Soft Keyboard, LFSK) を構築した. LFSKの基本メカニズムは, 文字キー上での移動速度があらかじめ定められた閾値を下回ったときにクリックしたとシステムは判断するというものである. この入力方式が有する効果を実験により一般的な反復タップ動作を要するソフトキーボードと比較検証した. 実験では8名の被験者に英文入力作業を課し, この入力作業時の上肢筋電位, 入力速度, 入力エラー, および主観報告を記録した. 実験の結果, 入力効率は低下したものの, すべての被験者において有意な上肢負担の軽減 (p<0.01) が認められた. また, 主観報告からも手首および前腕の疲労にLFSKが効果的であると評価された. 実験中に得られた誤操作の分類結果から, 入力ミスの原因を推定し, さらなるユーザビリティの向上のための設計案を検討した. 以上の結果から, LFSKは, 設計をさらに向上させることで少ない負担で操作できる可能性があると示唆された.
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© 一般社団法人 日本人間工学会
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