抄録
本研究では, 音声認識によるヒューマン・マシン・インタフェースを備えた手渡しロボットシステムを構築する. 本ロボットシステムでは, 人間の好みと深く関わりのある最大速度, 速度ピークに達するまでの時間, 及び, 手渡し位置を調整可能な動作特性に採用し, それらを協調者自らが音声指示により調整することで, 自分自身にとって最も心地よいと感じる手渡し動作を実現する. 音声指示には, 程度副詞を用いることを可能にし, 程度副詞から各動作特性の調整量を決定することで, 効率的な調整を実現する. 特に, 程度副詞に対応した調整量の決定にファジィ推論を用いることで, 人間のあいまいさを加味した最適な調整量の決定を行う. さらに, 実在のロボットシステムを用いた実験により, 提案する手渡しロボットシステムの有効性を確認した.