人間工学
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心拍動間隔の変動を用いた音刺激が人の心拍動間隔の変動に与える影響
小川 梢芝垣 佑美萩原 啓
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2008 年 44 巻 6 号 p. 334-340

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抄録

現代社会において, 疲労やストレスの蓄積により引き起こされる問題を解決することは重要な課題とされている. 本論文では音刺激による生理的影響を明らかにするための実験の結果について述べる. 実験では, 7種類の刺激を10名の被験者 (年齢19歳~24歳 (男性8名, 女性2名)) に与え, 自律神経系の活動度合いを計測した. 音刺激は被験者の心電図RR間隔の変動の平均を用いて作成された3種類の規則的な音と4種類の心電図RR間隔の変動を持つ音刺激からなる. 実験は, 各5分間それぞれの被験者に対して行われた. その結果, 心拍動間隔の変動から作成された音が被験者に生理的影響を引き起こしたことが示された. 特に, 被験者の心拍動間隔は, 規則的な音ではなく, 不規則な音による影響を受けた. その結果, 実験の後半において音刺激と被験者の心拍動間隔の間に有意な関係が見られた. 結論として, 被験者の心拍動間隔の変動が心拍動間隔の変動から作成された音に影響を受けることが示唆された.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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