2024 年 31 巻 1 号 p. 22-28
障害上肢に対する作業療法では,疼痛,軟部組織由来の関節拘縮,筋機能低下などに対して様々な物理療法を利用して,上肢機能の改善を図る.表面筋電図は物理療法によって改善した上肢機能の評価だけでなく,バイオフィードバックにも利用でき,臨床応用できる機器である.一方で,上肢筋は下肢筋よりも小さく,隣接筋と近接しているため,標的とする筋の活動を正確に評価することに難渋することもある.超音波画像診断装置を利用することで,筋の位置を直接確認できるため,筋への正確な表面電極の貼付が可能となった.本稿では,表面電極貼付における超音波画像診断装置の有用性,極小筋に対する超音波ガイド下string navigation法,上肢筋シナジーに関する知見について報告する.