心臓血管手術時における体外循環では,水分管理を必要とする。従来から多くの施設で血液濃縮器を使用することにより,人工心肺中の循環血液量およびヘマトクリット(Ht)値の維持管理が行われてきた。今回我々は,術中の心筋保護液(CP)による血液希釈に着目した。クリットラインモニター(CLM)から算出された血液量変化(△%BV)を指標とし,人工心肺施行時の至適除水管理を目的とした術中モニターとしての有用性を検討した。また,CLMに表示される△%BVは,測定したHt値から算出されたもので,その信頼性も比較検討した。その結果,標準誤差1.865,相関係数0.852の有意な相関を認めた。CLMにより,即時的にグラフィックモードで△%BVを把握することができることから,除水するタイミングおよび量,速度を判断し,術中の過剰な血液希釈と過剰な除水を避けることができた。そして,ガーゼ出血・セルセーバー吸引・麻酔科からの補液などの繁雑な水分バランス計算にもとらわれることなく,水分管理を行うことができたことから,人工心肺中の適切な除水管理にCLMが有用であると考えられた。