31 巻 (2004) 2 号 p. 143-146
【要旨】我々はXコーティング回路,人工肺により半閉鎖型回路(X群)を作製し,ヘパリンコーティング半閉鎖型回路(H群)と生体適合性,凝固・線溶系について比較検討を行った。ヘパリン投与前,体外循環開始後15分, 60分,プロタミン投与後60分,第1病日後に採血を行い,白血球,血小板,遊離ヘモグロビン,顆粒球エラスターゼ, IL-6, TAT, PIC, D-ダイマー,フィブリノゲンの測定を行った。白血球数,顆粒球エラスターゼでは両群ともに同様の変化となった。血小板数は第1病日後においてX群で有意に高値を維持した。 IL-6,遊離ヘモグロビンでは,プロタミン投与後に上昇し,第1病日後には前値に復していた。フィブリノゲンでは, X群で統計学的に有意に高値を示した。 TATではプロタミン投与後H群でやや高値を示し, PIC, D-ダイマーでは,両群間で有意差は見られなかった。 Xコーティング回路,人工肺を使用することにより,血球破壊,凝固抑制などがヘパリンコーティング回路と同程度に抑えられた。 Xコーティングは,ノンコーティングと同価格であり経費削減の面からも有用であると考えられた。