【要旨】当センターにて,待機的に行われた胸部大動脈瘤症例に対する人工血管置換手術3例(上行弓部全置換術(エレファントトランク法),上行弓部全置換術(OPEN STENT法),弓部2分枝置換(OPENSTENT法))に,持続的冠灌流(Continuous Coronary Perfusion:CCP)を施行した。CCPはQUEST Medical社製MPS心筋保護供給装置を使用,35℃ の回路血を150~200mL/min,回路内圧200±50mmHgにて灌流した。心停止時間は各症例で24分,40分,0分,CCP時間は105分,147分,98分であった。術後のCPK-MB値による,心停止症例との心筋ダメージの抑制効果は明らかではなかったが,心停止から心拍動再開への不安が軽減されるとともに,心筋保護液使用による血液希釈,高カリウム血症を軽減できると考えられた。CCP流量および圧力の指標,供給ルートの選択などが今後の課題となった。