2004 年 15 巻 2 号 p. 107-117
Schwiebea similis雌のヘキサン抽出物中に雄を性的に興奮させ, 雄同士のタッピング行動を活発化させる雌性フェロモンの存在を確認し, その同定を行った. ダニのヘキサン抽出物はシリカゲルカラムで分画し, GC/MSによって活性成分をα-アカリジアール [2(E)-(4-methyl-3-pentenyl)-butenedial] と同定した. α-アカリジアールは30-300 ngの投与で, 雌抽出物と同様の活性を示した. α-アカリジアールは雌1頭当たり30.4 ng, 雄一頭当たり13.4 ng含まれていた. 本研究は無気門亜目ダニにおいてα-アカリジアールが性フェロモンとして機能する2番目の例である.