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教育心理学研究
Vol. 57 (2009) No. 3 P 274-283

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http://doi.org/10.5926/jjep.57.274

原著

 本研究の目的は, 幼児期の対人的葛藤場面における謝罪行動の予測に影響を与える要因を検討することであった。特に, (1)加害行為の意図性によって加害者の謝罪行動の予測が異なるかどうか, (2)加害行為の意図性及び加害者の謝罪行動の予測によってその後の関係の見通しが異なるかについて検討を行った。4歳, 5歳, 6歳児を対象に, 仮想の葛藤場面に関する意図的場面と偶発的場面のストーリーを聞かせ, 加害者の立場に立って回答させた。その結果, (1)謝罪行動の予測については, 4歳児よりも6歳児で多く認められ, 葛藤の終結のために謝罪行動が必要と認識している事が示された。加害行為の意図性による影響は, 4歳児より5歳児で認められるが, 6歳児では認められなくなることが示された。(2)謝罪行動とその後の被害者との関係の見通しに関しては, 5歳児で関連が認められるが, 6歳児では関連が認められなくなった。つまり, 加害行為の意図性と謝罪行動との関連に関する今回の結果から, 5歳児で謝罪行動の転換点がある可能性が考えられた。

Copyright © 2009 日本教育心理学会

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