教育心理学研究
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原著
大学生を対象とした精神的健康度調査の共通尺度化による比較検討
酒井 渉野口 裕之
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2015 年 63 巻 2 号 p. 111-120

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抄録

 近年, 学生相談において, 精度が高く簡便な精神的健康度のスクリーニング検査への要請が高まっている。従来, UPI, GHQ, K10の三者は, 同じものを測っているのか, 互いのカットオフポイントが共通なのかが不明確なまま, ともに「精神的健康度のスクリーニング検査」として用いられてきた。本研究では, この二点を明らかにすることを目的とした。大学新入生548名(男子270名, 女子278名)を受検者とし, UPI, GHQ-30, K10を同時施行した。その回答を, 相関係数, 因子分析, 項目反応理論による共通尺度化を用いて分析した。その結果, 三者のカットオフポイントは共通尺度上でほぼ同値であった。また三者の特徴が明らかとなった。UPIは日常的な困りごとのレベルで, GHQ-30はカットオフポイント付近での測定精度が高い。K10は少ない項目数で病気を切り分けることができる。三者は特徴に応じた使い分けが可能であるとわかった。

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© 2015 日本教育心理学会
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