教育心理学研究
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原著[実践研究]
自己形成支援プログラムの有用性
― 高校生女子を対象とした強みの活用による介入 ―
森本 哲介高橋 誠並木 恵祐
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2015 年 63 巻 2 号 p. 181-191

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抄録

 本研究では, 高校生女子の自己形成意識を高めることを目的に, 自己の強みを日常生活の中で活用する自己形成支援プログラムを実施し, その効果を検証した。プログラムは, 第1週目に参加協力者の“性格的な強み(Character Strengths : 以下CSとする)”を測定し, 第2週目に参加協力者自身の中で上位5つのCSを個人毎にフィードバックした。そしてその後1週間の日常生活で, 各参加協力者がフィードバックされたCSを自分なりの新しい方法で活用するよう促す, という手順で行われた。効果検証のために, 「可能性追求」と「努力主義」からなる自己形成意識尺度を測定した。また実験群では, 自己の上位5つの強みについての主観的な感覚を測定した。群(実験群・統制群)×test時点(pre・post)の2要因分散分析の結果, 実験群ではプログラムの前後で可能性追求と努力主義の得点が有意に上昇したが, 統制群では得点に有意な変化はみられなかった。さらに実験群の参加協力者は, 自己の強みをより意識し重要であると感じやすくなり, また自己の強みを活用しているという感覚が有意に高まっていた。これらの結果から, 自己の強みを活用する自己形成支援プログラムが高校生女子の自己形成意識を高めるために有効であることが示された。

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© 2015 日本教育心理学会
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