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教育心理学研究
Vol. 65 (2017) No. 1 教育心理学研究 p. 1-11

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http://doi.org/10.5926/jjep.65.1

原著

 Goal shielding理論(Shah, Friedman, & Kruglanski, 2002)では, “価値のある目標が活性化されると, 代替的な目標(その重要な目標とは無関連な目標)の活性化が自動的に抑制される”と提唱している。そして, この代替的な目標に対する抑制が, 目標達成のプロセスにおいて重要な役割を果たすと考えている。本研究では, 重要な目標が活性化されると, 代替的な目標の活性化が抑制されるというgoal shielding効果において, 楽観性が調整変数として働いているのかどうか検討することを目的とした。研究1では164名の大学生を対象にし, まず, 学業達成の目標を活性化させ, 学業達成の重要性を尋ねた。研究2では196名の大学生を, 目標へのコミットメントが高い条件(“達成したいと強く望む目標”を記述させる)と低い条件(“できれば達成したいとわずかに望む目標”を記述させる)にランダムに割り当てることによって, 目標へのコミットメントを操作した。目標を活性化させたのちに, 研究1, 研究2ともに, 代替的な目標の記述として, 今現在, したいと思っていること(ex. 行動, 活動)を思いつく限り自由記述してもらった。本研究の結果より, 楽観性の高い人は低い人に比べて, 重要な目標が活性化された際に, 代替的な目標の活性化がより抑制されることが示された。本研究の結果は, 楽観性の高い人が重要な目標に対して積極的に取り組むことができるのは, 代替的な目標の活性化の抑制が働いていることに起因している可能性を示唆するものである。

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