J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

教育心理学研究
Vol. 65 (2017) No. 1 教育心理学研究 p. 120-131

記事言語:

http://doi.org/10.5926/jjep.65.120

原著[実践研究]

 小学校をはじめとする教育現場において, 外部の専門家による授業の機会が増加しており, 特に音楽家が招かれて行われる「音楽アウトリーチ」が活発化している。こうした実践は「ワークショップ型」の形式で行われることが多いが, 教育的意義が不明確なまま同様の実践が乱発されており, 教育現場・専門家の双方で混乱が生じている。この問題に取り組むため, 本研究ではワークショップ型の音楽アウトリーチ実践における音楽家の能動的・即興的な教授行為を, 音楽家・児童間の対話のなかに位置づけて捉えることを目的とし, 小学校において行われた音楽アウトリーチを対象とした相互行為分析を行った。分析の結果, 音楽家の教授行為は(a)課題の単純化(b)集束的プロセスとしての対話の組織化, という2種のスキャフォールディング, 及び(c)拡散的プロセスとしての対話の組織化(d)児童の声の「読み替え」, という4種の形態として整理された。以上の結果を基に, 事前に設定したプログラムによって, そこでどのような対話を行い, 音楽家がどのような働きかけを行うのかが限定されていたことを指摘し, 音楽家・児童双方の即興性を阻害しないプログラムの可能性について考察した。

Copyright © 2017 日本教育心理学会

記事ツール

この記事を共有