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教育心理学研究
Vol. 65 (2017) No. 1 教育心理学研究 p. 132-144

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http://doi.org/10.5926/jjep.65.132

原著[実践研究]

 本研究では, 計算スキルの流暢性を形成するための指導法として, タイムトライアルに目標設定と成績のグラフ化を組み合わせた指導(実験条件)に着目し, その効果を, タイムトライアルによる指導(統制条件)の効果と比較した。比較は, 2つの実験計画, (a)3年生の2学級を対象にした統制群法, (b)4年生の1学級を対象にした基準変更デザイン法, で行った。標的スキルは掛け算九九に設定し, 従属変数は2分間のタイムトライアルにおける正答数とした。各実験計画の分析結果は, 実験条件が, 統制条件よりも, 効果が高いことを示した。つまり, (a)では, 事前事後の得点を共分散分析で検定した結果, 実験条件の方が, 事後得点が有意に高かった。(b)では, 実験条件下の成績を, 統制条件下の最高値からの変化量として, 線形混合モデルで分析した結果, 実験条件下の成績は, 統制条件下の最高値よりも, 有意に高い状態で保たれていた。最後に, 各指導による流暢性の伸びと, 社会的妥当性の各得点との関連をSpearmanの順位相関を用いて検定した結果, どちらの実験計画でも, 実験条件においてのみ, 流暢性の伸びと, 成長実感得点の間に, 有意な正の相関が認められた。

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