教育心理学研究
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原著[実践研究]
大学生のチームワーク能力を向上させるトレーニングの有効性
—時間経過後のチームワーク能力に着目して—
太幡 直也
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2017 年 65 巻 2 号 p. 305-314

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抄録

 太幡(2016)は, 大学生のチームワークを向上させるトレーニングを開発し, トレーニング終了直後にはトレーニングが有効であったことを示している。本研究では, 太幡(2016)のトレーニングの有効性が時間経過後に確認されるか否かを検証した。大学生に太幡(2016)のトレーニングを実施した。そして, トレーニング実施条件, 非実施条件の学生に, トレーニング終了から約9か月後に, 自己報告式の尺度に回答するように求めた。自己報告式の尺度で, 社会的スキルや, チームワーク能力の5つの構成要素(“コミュニケーション能力”, “チーム志向能力”, “バックアップ能力”, “モニタリング能力”, “リーダーシップ能力”)を測定した。その結果, トレーニング実施条件の方が非実施条件に比べ, 上記の多くの尺度について, 約9か月後の得点の上昇が大きかった。したがって, 太幡(2016)のトレーニングの有効性はある程度は時間経過後に確認されたと考えられる。

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© 2017 日本教育心理学会
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