本研究では,メタ創造性の「メタ創造的コントロール」に焦点を当てて,メタ創造性と創造性の関連を検討することを目的とした。研究1では,創造性を育む可能性のある方略を選定した。その際に,方略の内容としては,創造性との関連が実証されている創造性の2過程モデルを援用し,認知的柔軟性だけでなく,認知的持続性も扱った。続く研究2では,研究1で選定した項目を用いて,メタ創造性と創造性の関連を検討した。その結果,両者には有意な正の関連が見られることが示された。最後に研究3では,高校生を対象にして,メタ創造性への介入を行うことによって,創造性の向上につながるのかどうかを検討した。その結果,認知的柔軟性または認知的持続性のメタ創造性を意図的に実行することによって,創造性が向上することが明らかになった。本研究の知見は,メタ創造性に関する先行研究の知見を補完・拡張するものであった。教育の現場において創造性を育む試みとして,メタ創造性のプロセスを重視した介入プログラムを開発し,実践することの必要性が示唆された。