1963 年 11 巻 3 号 p. 152-156,186
主として運動学習について, 分散による効果を研究するため置換およびアルファベット逆模写作業を時間制限および作業制限法によつて行なつた。主な結果は:
1) 練習による進歩の量および速度は分散の程度によつて異なり, 一般に分散練習は集中練習に比して有利な場合が多い。
(2) 分散練習の集中練習に比しての優位性は時間制限法による場合, 休止後においても認められる。しかし作業制限法による場合は休止後の差異は認められない。
これは, 休止後の集中, 分散による差異が休止前練習における主として反応数の相違に基づく学習水準の差異によることを示すものと考えられる。
(3) reminiscenceは高度の集中練習条件のもとにおいてのみ有意に見られる。